キミの螺旋
30分くらいして、ちょっと落ち着いた気がして、あたしは席を立った。

「サラ、帰ろうか」

「もう大丈夫?」

「うん」

平田先生も心配そうに言ってくれた。

「まだ休んでいてもいいんだよ?今回の催眠療法はキツそうだったから…精神的に負担が大きかったんじゃないのか?」

「先生、あたし大丈夫だよ!両親に会った最期の記憶が少しキツかったくらいで…でも意外に平気」

あたしは笑顔で答えた。先生から笑顔は出なかったけれど、いつものように優しい言葉をかけてくれた。

「それでも!何か気になる事があったりしたら連絡してくるんだよ?何か力になれるかもしれないんだから」

「はぁい」

「ああ、工藤さんも凛ちゃんに何かあったら私の所に連絡してくださいね」

そう言って先生は名刺をサラに渡していた。サラもにこやかに受け取る。

「わかりました」

そしてあたし達は平田先生のオフィスをあとにした。


帰る途中、サラは気を使ってくれてるのか…何も話しかけてはこなかった。

それが有り難くて、あたしはしばらく何も考えずにいられた。

何にも考えたくない…

駅に着いてサラが切符を買いに行こうとした時、彼女が声をかけてきた。
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