*ΒaD boY,ＳaD girL*

[Lonely]

二人でいるのに一人でいるみたい・・・

そんな風に思いだしたのは、いつからだったかな・・・

ガチャッ

『お邪魔しましたぁ～』

明るく真衣子に挨拶して簡単な会話を交わすと急いで須賀家を後にした。

『バカ哉未・・・』

消え去りそうな声で呟いた・・・。

バッグから携帯を出す。
リダイヤルを出すと一番上に表示された番号に電話をしだした。

プップップ・・・
プルプルプル・・・

「はい」

相手は里沙の電話にすぐ出た。低い男の声。

『あたし・・・』

少し息を切らし歩くスペースを遅めながら喋った。

「ん。どうした？」

慣れた感じと着歴の多さから里沙との電話は頻繁なのだろう・・・

『今・・・大丈夫？』

里沙は、いつもの雰囲気とは違い少し弱々しい口調だった。

「・・・今どこ？」

『哉未んちの近く・・・』

「・・・分かった。すぐ行くから近くのコンビニで待ってて」

哉未の事を知っている相手なのか電話の主は少し考えると里沙にそう告げ電話を切った。里沙は電話を切ると白い息をはきながら目の前に見えてきたコンビニに入った。

少しずつ・・・

少しずつ何かが動き始めていた・・・