*ΒaD boY,SaD girL*
[laugh.]
靴箱でスリッパからスニーカーに履き替えている哉未の両手には卒業証書の入った筒、花、プレゼントやらでいっぱいだった。

ここへ来る途中に何人もの女子生徒や後輩にもらったものだった。

「哉未ー今日の打ち上げどうする?」

突然の声に前をむくと、そこには男のくせして散々泣いたようで目を赤くした智貴が立っていた。

『打ち上げ?』

「うん。宇田がバイトしてるとこが今日、定休日だからハコ貸出してくれるみたい」

智貴はロッカーから靴を出しながら話す。
智貴の話によると用意のため宇田は先に帰ったとか。

『・・・里沙くんの?』

哉未は智貴に背を向けながら言った。

「えっ・・・と・・・舞美が来るつってたから・・・多分く・・・る。」

智貴は靴を落としそうになりながら自然に少し声のボリュームが落ちた。

『ふーん』

「行かないよな・・・ごめん」

哉未の素っ気ない返事に肩を落とし俯きながら靴をはく。

『行くよ』

哉未は笑いながら智貴に振り向いた。

「え?」

『何時から?』

「は、8時から!」

智貴は声を張り上げながら叫んだ。

『了解♪』

哉未は智貴に向かって笑うと手をふりながら一人その場を後にした。

< 66 / 85 >

この作品をシェア

pagetop