魔法使いの巫女少女Ⅰ
(……?)
未来は少し止まって後ろを振り返った。
『どうかしましたか?姫。』
「いま、慎の声が聞こえた気がしたの…。」
未来は見えるはずのないはるか遠くを見つめていった。
「でも、たとえ追いつかれても置いていくけど。」
そういってまた前を向いて進みだした。
その後ろをスキアはついていった。
『後悔しているなら待てばいいではありませんか。』
「いや。」
『強情な方だ。』
やれやれと言いながらスキアは周辺を探った。
『もうじき入り口になります。気を付けてくださいね。』
「わかった。」
そういうと未来は神経を研ぎ澄ませた。
(敵は私が一人で来るとは思ってないはず…。仮にそう思われていても平気。こっちに意識が多くいけば、学園のほうはそんなに襲撃されない。私がここですることはただ一つ。少しでも一人でも多くこの場にとどめること。)
深呼吸をして、未来は霧の中に消えていった。
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