生存税
「...はぁ。」
風呂上がりの隼は、Tシャツにスウェットで、肩に掛けてあったタオルでぐしゃぐしゃと黒い髪を乱暴に拭いた。
夏の夜の風はとても涼しく、心地よい。
二階のベランダから、田舎ならではの夜景を眺めてみた。
東京の、ビルの一部屋一部屋から漏れた光なんてものではなく、また違った街灯や数少ない家一軒一軒から漏れた光。
東京とは違う、綺麗さがここにはあった。
でも、よくよく考えてみれば、住人が全く居ないわけではない。
こうやって明かりがあるわけだから、住んでいることに間違いはない。
住民に税金の事を聞いてみるのが、一番良い手なのかも知れない。
「...あ!」
柵から下を覗くと、一人の青年が丁度歩いていた。
「あの人なら、わかるかもっ、!」
隼は着替えもせず、慌てて階段を下りて、サンダルを履いた。
扉を開けた瞬間、眼鏡を忘れてた事に気づくが、諦めて外に出た。