生存税
「大丈夫、そんなに怖がらなくても。」
青年は隼に、優しくほほ笑みかけると、肩に手を置いた。
「僕が、君を守ってあげるから。」
「..君は、誰なの?」
なんだか、洗脳されている気分だった。
彼の声を聞くと、意識が溶けていくような感覚に浸る。
口が勝手に開いて、君の名前を問いていた。
「まず、君から教えてよ。」
「..僕は、菊田隼。」
早く、君の名を知りたい。
何かを求めるように、僕はそう願っていた。
「隼か..、僕はね、グレンっていうの。可笑しい名前だよね。」
確かに珍しい名前ではある。
どこかのハーフだろうか。
「じゃあ、またね。隼。あ、髪乾かさないと風邪ひくよ。」
「えっ...まっ」
グレンと名乗る青年は、足を止めずどこかへ去っていった。