生存税
「僕も行ったことはないからわからないけど、きっとそう。」
「どこにそんな確信があるの?」
「わからない..わからないけど、そんな気がするんだ。」
グレンが珍しく、目をきょろきょろさせて挙動不審になっている。
普段見せない、不安な表情。
「グレン?」
「..思い出せないんだ、思い出したくても、なぜか何かがそれを遮る。」
グレンは、突然頭を抱えて畳の上にしゃがみこんだ。苦しげに眉を潜めて、目を固く瞑って。
「どうしたの、グレン!!」
「なんでだろっ、なんで思い出せないんだろ..!!」
「グレン!」
「隼っ」
グレンの細い腕が僕へと伸びて、手のひらで僕の頬を包んだ。涙で濡れたその瞳には、僕に何か訴えたいようで。
「全部、思い出せない。僕の記憶、全部..。」
「そんなに無理して思い出さなくても、大丈夫。」
「だめ..駄目なんだ、早くしないと!」