生存税



気難しそうな表情を露わにする梨恋を見て、隼は罪悪感に駆られた。



「ごめん。嫌なことだったら言わなくてもいいよ!」


「別に。...実は、この処罰から逃れる方法はもう一つある。」


「...何?」



あるのであれば、それを実行すればみんな助かるのかもしれない。
アランも、もしかしたらこの方法を使って今まで生きてきたのかもしれない。




「変わりに犠牲者を出すこと。」


「犠牲者..?」


「私は、処罰の対処になった時にある奴に助けられて。そいつが、私の変わりに連れて行かれた。」



梨恋が言った内容からすると、誰かを犠牲にしなければ助かる余地は無い。
だから、結局は同じことだ。





みんなが助かる未来はないってこと。




「あれから私は処罰の対象じゃなくなった。でも、その方が辛い..。」



「その梨恋ちゃんを助けた人はどうなったの?」







「..知らない。あのまま、あいつは帰ってこなかった。」


< 49 / 52 >

この作品をシェア

pagetop