生存税
気難しそうな表情を露わにする梨恋を見て、隼は罪悪感に駆られた。
「ごめん。嫌なことだったら言わなくてもいいよ!」
「別に。...実は、この処罰から逃れる方法はもう一つある。」
「...何?」
あるのであれば、それを実行すればみんな助かるのかもしれない。
アランも、もしかしたらこの方法を使って今まで生きてきたのかもしれない。
「変わりに犠牲者を出すこと。」
「犠牲者..?」
「私は、処罰の対処になった時にある奴に助けられて。そいつが、私の変わりに連れて行かれた。」
梨恋が言った内容からすると、誰かを犠牲にしなければ助かる余地は無い。
だから、結局は同じことだ。
みんなが助かる未来はないってこと。
「あれから私は処罰の対象じゃなくなった。でも、その方が辛い..。」
「その梨恋ちゃんを助けた人はどうなったの?」
「..知らない。あのまま、あいつは帰ってこなかった。」