空に虹を描くまで
わたしがポスターを見つけた時、陵は興味ないような感じだったから、”わざわざ”って訳でじゃなさそうだけど。
だけど、陵の反応を見ると知ってて誘ってくれた風に読み取れる。
「おー、お待たせ」
その場の空気を一変するように、勢いよく扉を開けて部屋に入ってきた。
「お菓子もあるじゃん」
おじさんはどかっと椅子に座ると、ガツガツとお菓子を食べ始めた。
よっぽどお腹が空いていたんだろうか。
吸い込まれるようにお菓子がおじさんの口の中に入っていく。
「ちょっと、食べ過ぎよ!」
しまいには梓さんに注意され、やっとその手を止めた。
「いやー、悪い悪い。この時間帯って一番腹が空くよな」
まー、確かにそうだ。
わたしもバイト終わってから何も食べていないからお腹が空いていた。
小腹を満たすには丁度いい。