空に虹を描くまで
白地に赤や青やいろんな色の模様がついていて、古典柄だけどレトロでどこか今風の雰囲気がある。
奇抜な感じもするけど、上品でとても素敵。
見ているだけで夏を感じさせるような涼しげな浴衣だ。
「ね、かわいいでしょ!?これ着ていかない?」
「…いいんですか?」
嬉しさを噛みしめるように、静かに聞いた。
「もちろん!」
「でも、わたし着方が…」
「そんなのわたしにどーんと任せなさい!」
自信満々に言う梓さんに思わず頷いた。
「じゃあ…よろしくお願いします」
「よしきたっ!」
なぜかハイテンションの梓さんは嬉しそうに浴衣とわたしを見比べた。