空に虹を描くまで


「うーん、どんな髪型にしようか」

「え、髪もやってくれるんですか?」

「もちろん!」

嬉しい。

髪型なんていつも一緒だから、少し変えるだけでも気分が上がる。

さらに浴衣も着れるなんて。


「んー、陵ちゃん何か希望ある?」

「は?」

まさか自分に声がかかると思っていなかったんだろ。
急な問いに戸惑っていた。

「だから、髪型よ。アップにしたり、横でくくって少し髪を垂らしたり」

「なんでもいいよ。佳奈子のやりたいようにやってあげれば?」

「え〜、参考にするだけで、陵ちゃんの言う通りにするとは言ってないのにね?」

そう言いながらわたしに同意を求めてきた。

なんとも返事ができず、笑いで誤魔化すしかできなかった。


陵もムカついたのか、「あっそ」と呟いた。


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