空に虹を描くまで
「髪型どうしようかと思ってたけど、浴衣を着るとイメージが湧いたわ!」
「ほんとですか?」
「うんと可愛くしてあげるからねー!」
鼻歌を歌いながらわたしの髪を櫛で梳かした。
「そういえば、学校の帰りに陵ちゃんと会ったのよね?」
「はい、そうです」
「夏休みなのに学校行くことあるのね」
「あー、その日は友達の部活を見に行ってたんです。なんか曲作りを頼まれちゃって」
「え!?曲作り?すごいじゃない。佳奈子ちゃん、そう言うの得意なの?」
「いえ、それが全く」
梓さんは褒めてくれたけど、全然だ。
すごいのかけらもない。
「そうなの?」
わたしの返答に梓さんは首をかしげた。
「やろうと思えば、きっとみんな出来ますよ。全然すごくないんです。だからせめて自分の満足いく曲を作りたくて…いま、試行錯誤中です」
そう言って頬を釣り上げた。