空に虹を描くまで
今こうして考えると、由美はそのことをずっと覚えていてくれたのかもしれない。
だからわたしに依頼してきたんだ。
そんなこと、考える余裕なんてなかった。
だけど冷静になってわかった。
由美はきっと、わたしにチャンスをくれたんだ。
わたしが後悔しているのをどこかで感じていたんだ。
「さ、できたわよ」
梓さんのその一言で、顔を上げ目の前に映る自分を見つめた。
「…すごい」
首を軽くひねり、髪型を隅々まで眺めた。
綺麗に髪が編み込まれていて、おしゃれな髪飾りがついている。
自分の髪とは思えない。
「どう?気に入ってくれた?」
「はい!すごく!」
椅子から立ち上がり、着物姿の自分を見つめ続けた。
見ているのは自分なのに、全く飽きない。