空に虹を描くまで


「よし!早速、陵ちゃんに見せに行きましょ!」

「え!?ちょ…」
梓さんはわたしの手を引っ張って部屋から出た。

「じゃあ佳奈子ちゃんは、いいって言うまでここにいてね」

部屋の前まで来きてそう言うと、わたしを取り残して部屋に入ってしまった。

わたしは唖然として、ドアの前で立たずんだ。

状況が読み込めないまま、ポツンと一人寂しく身動きが取れない状態だ。

陵にわたしが浴衣に着替えられたことを説明してから、披露するということだろうか。


…すぐに呼んでくれたらいいけど。

そう思ったのもつかの間、部屋から梓さんの声が聞こえた。

「陵ちゃん!」

「なに?」
わたしは聞き耳を立てながら二人の会話を聞いた。

「佳奈子ちゃん、さらに可愛くなってるわよ」

可愛くって...
そんなにハードルを上げないでほしい。

陵の声を聞いた途端、妙に緊張しだした。

ただ浴衣姿を見せるだけなのに。






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