空に虹を描くまで


「佳奈子ちゃーん!いいわよ」

わたしを呼ぶ声が聞こえ恐る恐る扉を開けた。

浴衣を着たくらいで、大げさ過ぎじゃないだろうか。

ゆっくりと扉の中の様子が目に映る。

扉が完全に開くと、ぱっと陵と目があった。

だけど、すぐに逸らして下を向いた。

なんだか恥ずかしくて顔を上げれない。


「おお!似合ってるなあ!」
おじさんの声が聞こえやっと顔を上げることができた。

「ほ、ほんとですか?」

「なあ?陵」

「え、ああ、そうだな」
その言葉を聞き、また陵に視線を合わせた。

だけど今度は陵にすぐに目を逸らされてしまった。

あれ?
思ったよりも似合ってなかったってこと?
それとも特に興味がないとか?

陵の微妙な反応に戸惑った。


「ふふふ、陵ちゃん顔が赤いわよ?」

陵は俯いたまま頭を掻くと「そんなわけねーだろ」と小さく呟いた。

そのまま顔を上げることなく席を立つと、わたしの方に寄ってきた。


「じゃあ、行こうか」

「あ、うん」

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