空に虹を描くまで
「花火の場所取りもした方がいいもんね」
「まー、いい場所はほとんど取られてるだろうけど」
「あ、ねえ!焼きそば食べたくない?」
いい匂いがする方へ目を向かせると、鉄板の上で美味しそうな焼きそばが出来上がっていた。
「ちょっとわたし買ってくる」
「お、おい…!」
陵の言葉はもうわたしの耳には入っていなかった。
いい匂いにつられて無我夢中で人ごみの中をかけて行った。
「ありがとうございましたー!」
お店の人から焼きそばとお箸を2膳もらった。
「佳奈子、勝手に行くなよ」
「え、あ、ごめん。つい」
「そんなに急いでも焼きそばは逃げねーっての」
「あはは。たしかに」
ちょっとはしゃぎすぎた。
そう反省するも、次から次へと変わるお店に目を背けることはできなかった。
手には焼きそば、たこ焼き、ゲームで手に入れたおもちゃやヨーヨー。
ドーンという爆発音とともに、空には花火が打ち上がった。
「あ、花火だ!すごーい、綺麗」
「どっかに座って見ねえ?休憩がてら」
「そうだね」