空に虹を描くまで
「陵ってさ、ガラス工芸の何が好きなの?」
ふとそんな疑問が浮かび聞いてみた。
「唐突だな…」
なんの前振りもなく急に話題が変わり、戸惑いつつも陵は口を開いた。
「ガラスってすごく繊細で、息を吹きかけるタイミングや冷やすタイミング、何か少しでも違えば全く違った色合いや形に変わるんだよ。一応初めにこういうものを作ろうって頭でイメージして作るんだけど、全く別のものに仕上がる時もある」
わたしはじっと陵を見つめながら静かに話を聞いていた。
「そりゃ失敗する場合もあるけど、逆に綺麗に仕上がったり、想像していなかった深みが出たりするんだよ。そういうのが面白いところかな」
「じゃあ失敗するのは怖くないの?」
わたしは今自分が抱えている闇を、陵にはないのか聞いて見た。
「不安になることってない?これで上手くいくかなー?とか、思ったようにできなくて落ち込むこととか」
「そりゃあるよ」
「あるの!?」
わたしの反応に驚いたように陵は当然のように言ってきた。
「落ち込むことなんかよくあるよ」
「…そうなんだ」