【電子書籍化】王宮侍女シルディーヌの受難
申し訳なさすぎて、どう謝ればいいのかシルディーヌは途方にくれる。
「ごめんなさい、ペペロネ」
「いやだわ。シルディーヌが謝ることじゃないわ。ね、それでシルディーヌはどうなの? 団長のこと好き?」
「好きかと訊かれると、正直よく分からないの。アルフとは、実は幼馴染みで……」
「え! 幼馴染みなの? 初耳だわ!」
心底驚いているペペロネに、幼いころのこと、黒龍殿に間違えて入ったこと、休日のことなど、今までのことを話した。
「まあ! いやだわ、シルディーヌったら。それ全部ノロケに聞こえるわ」
「そ、そうかしら?」
「あの黒龍の団長に、すごーく愛されまくってるって、よく分かったわ」
ペペロネはくすくすと笑って、お茶をクイッと飲んだ。
そして唇をペロッとなめて、なにか言いにくそうにもじもじし始めた。
言いかけては口を閉じる様が、とってももどかしい。
しっかりもののペペロネらしくなく、シルディーヌはしびれを切らして問いかける。
「どうしたの、ペペロネ。なにかあったの?」
「ええ、あったというか……その、シルディーヌに訊きたいことがあって……騎士団に黒髪の凛々しい騎士さまがいるでしょう?」
黒髪の騎士といえば、すぐ頭に浮かぶのはひとりしかいない。
「副団長のフリードさんのことかしら?」