【電子書籍化】王宮侍女シルディーヌの受難


ワイワイと華やぎながらアドバイスをし合い、メイクと髪のセットをしてアクセサリーを身に着ければ、上品でかわいらしい貴族令嬢たちの出来上がりだ。

舞踏会開始時刻も間近になり、シルディーヌたちは大広間へと移動を始める。

正門から続く道には馬車が連なっており、着飾った令嬢や貴公子が続々と集まってきている。

そして大広間に一歩入ると、シルディーヌはそのきらびやかさに息をのんだ。

壁とドーム状の天井には美しい風景画が描かれ、金色に染められた梁が額縁のように張り巡らされている。

いくつもある巨大なシャンデリアが柔らかな光を落とし、壁際に作られているブースでは宮廷楽団が緩やかな旋律を奏でており、優雅で美しい夢のようなひとときを演出していた。

それに大広間はとてつもなく広く、シルディーヌから見て一番遠い端っこにいる人はとても小さく見え、衣装で男女の区別ができる程度だ。

これならば国中の貴族が集まったとしても、ぎゅうぎゅう詰めの大混雑にはならないだろう。

さすが、王宮の大広間である。

それでも、集まってくる貴族たちで大広間の中は次第に混雑してきた。


「すごいわ……こんな中で王太子殿下を見つけるなんて、たやすいことじゃないわね」


キャンディが呆然とした様子でつぶやくと、ペペロネもため息交じりに言う。


「そうよね。こんなに人の多い中で、フリードさまを見つけられるかしら……」


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