奏でるものは~第3部~
「俺の家の近くが唯歌の学校で、高校に入ってすぐ、下校中の唯歌をみて、どうしても付き合いたかった。
送ってやりたくて、偶然を装って話しかけて、やっと付き合えたのが夏休み前だった。
ほとんど毎日、駅まで送っていって、休みの日も時々会ってた」
「俺達も唯歌とは会ってた。あの溜まり場にも時々来てたからね」
龍くんが言った
「歌織ちゃんが唯歌の妹って知らなかったよ。名前も顔も違うよね?」
「顔は似てないもんね」
苦笑いする。
「私も中学まで桜輪学園だったのよ。
登校は姉と二人で行ってたけど帰りは別々だったの」
みんな驚いて私を見る。