私に触れて、そして殺して
足を向けたのは
私が住んでいたアパート
隣の部屋には三吉さんが住んでいた
もしかしたら三吉さんに会えるかもしれないという気持ちもあった
だって、私が行くところはない
あれから三吉さんが
どうなったかもわからない
当たり前だが
私が住んでいた部屋は
誰かが住んでいる
三吉さんと暮らした部屋の前
表札プレートがない
一緒に暮らしていた時は
三吉、とプレートがあった
それがないと言うことは
ここに三吉さんは
住んでいないということだろうか
インターホンを押そうとした時
私が住んでいた部屋のドアが開いた
「あれ?忘れ物ですか?」
そう声をかけてきたのは
その部屋の住人
確か、引っ越してきました、と
挨拶に来てくれたカップルの男の方だ