私に触れて、そして殺して
明日には観光客がこの街にも来るらしい
その情報を残し
カナコは帰って行った
その夜、タツヤにもその話をすると
やはり興味がないような感じだ
当たり前か、と思いながら
タツヤの話にも耳を傾ける
「明日、早めに店閉めて出かけようか」
いつもはそんなことしないのに
珍しくタツヤに誘われた
二人で出かけるのは久しぶりだ
タツヤの顔が何かいつもと違う
何かあるんだろうと察知した
わかった、と笑顔で返事をすると
タツヤはホッとした顔をした
久しぶりに外食でもしよう、という
外食と言っても
この街で食事をするなら
決まった店がある
それでも、久しぶりの外食に顔が綻ぶ
明日を楽しみにしながら眠りについた