私に触れて、そして殺して


でも、タツヤは引かなかった
何故か別れたくないと言い出した


「ほんの遊びなんだ。俺が一緒にいたいのは凛子だから。好きなのは凛子なんだ。恭子さんとはもう終わったこと」



ほんの遊び?
終わったこと?
自分勝手な発言に呆れてしまう


『あの日、タツヤの部屋にいたの』


出来れば口にしたくなかった
あれさえなければ
雨に打たれることも
風邪をひいて寝込むことも
バイトも休むことも…
店長が部屋に来ることも、無かったのだ



『部屋でタツヤの帰りを待っていたの。帰ってきたと思ったら、一人じゃなかった』


そう言うと、タツヤは言葉を詰まらせた
浮気を知られた程度にしか思っていなかったのだろう

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