私に触れて、そして殺して


終わった、と言いながら
私は浮気現場にいたのだ

何も言い返してこないタツヤに
だから終わりにしたいと伝えた
それでも別れたくないというタツヤ


「許してほしい。もう二度としないし、恭子さんとは二度と会わない。だから…」


『ごめん、無理。もう好きじゃない』


そうハッキリ伝えると
ショックだったのか
小さな声で、凛子…と聞こえた


『それに、もうあの部屋にはいないしバイトも辞めたの。だから金輪際、私に関わらないで』


それじゃ、と電話を切ろうとしたら
タツヤの声が聞こえてきた


「俺は凛子が好きなんだ」


その言葉に返事をすることなく
画面をタップし通話を切り
タツヤの番号を削除した

< 54 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop