私に触れて、そして殺して


「んー、ミカ、ユイ、ミナ…」


ブツブツと男は色々な名前を出してきた
頭がおかしいのでは?
何を言ってるんだ?


「…あ、サラがいいね!昔、好きだった漫画のヒロインの名前で、その子に似てる」


ニコニコしながら
私の頬に手を触れてきた
ゾクゾク、と鳥肌がたつ


「今日から君は“サラ”だ。これ、食べて」


私の頬から手を離し
男はドアへと向かって歩き出す



『…待って!どこに行くの?なんで私はここにいるの?』


男を追いかけようと走り出したが
ロープに阻まれる
床に転んだ私に男はにっこり笑い


「いい子にしてるんだよ、サラ」


それだけ言って
部屋から出て行ってしまった
ガチャン、と施錠された音
男の足音も聞こえなくなってしまった

< 97 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop