君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
コンコン。

ノックの音がした。

誰かが来たお陰で、ようやくナツキ王子は私の上から離れた。

「失礼いたします」

扉が開くと、一人の男性がそこには立っていた。

「え?」

混乱する。

これは、私の見間違い?
こんなこと、あっていいはずがない。

扉の前でリンタールの隊長さんは、うやうやしくナツキ王子に頭を下げていた。
2人は何か会話を始めた。

内容は聞こえてるけど、一切頭に入ってこない。

隊長さんがここにいるってことは、もともとナツキ王子と繋がってたってこと?

いつから?

リンタールの人たちを騙してたの?

誰よりも隊長さんが私に厳しい目を向けていたのは、リンタールを思ってたからじゃないの?

疑問がとめどなく溢れる。
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