君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
隊長さんの足音が遠ざかっていく。

「なぁ」

まだ何か言うつもりですか…。

ナツキ王子に呼ばれて仕方なく顔をあげる。

「んっ…」

何の前触れもなく、ただただ唇を奪われた。

…。
なにこれ。

気がついたら思いっきり頬を平手打ちしていた。

「痛って」

頬を押さえて痛がってるけど、関係ない。

「な、な、何、してるんですか」

「あ?
さっきの話の続き。

恋愛感情無しにキスができるという証明だ」

はぁ?
カナトが私を利用してるだけとか、そういう話をしてたけど、だからって実際にキスしなくてもいいでしょ?

こんなの、おかしすぎるから!
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