君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
腰に施されているリボンをしっかりと結び、城内の庭に出る。

祭の最終日ということもあり、日が暮れても城の中は賑やかだった。

「今年の祭ももうすぐ終わりですね」

行き来する大勢の人々を見てしみじみとしてるところに、頭上から降ってきた声。
木で休んでいるシンだ。

「シンも寂しかったりするの?」

「祭はまた来年もありますよ。

これで終わりだって思わなければ、寂しくはならないってことなんでしょうか。
ようは考え方ってことですかねー」

なんだろう。
良い感じのことを言ってるようだけど、なんと言うか、返事が上の空だ。
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