君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「神楽弥。話があるんだ。ちょっといい?」

仕事を終えたカナトが合流した。

ちらっとシンに目を向けて、何やらアイコンタクトを取ったように見えた。
…なに?
何か、問題でも発生したの?

でも、私がシンを見たときには、すでに大きな口を開けて伸びをしていた。
なんか、気が抜けるな…。

「いってらっしゃーい」

伸びながらのシンに、手だけを振られて送られた。

カナトと一緒に来たのは、あの鏡の部屋。

鏡の部屋は、祭の夜でも、ひっそりと佇んでる。

ここはいつものように、静かで、人の声も、祭の音楽も何も聞こえない。
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