君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「カナトが忙しくしてると俺は暇になる。
だからこうやって、時間を潰してるんです」
「良い過ごし方だね」
「神楽弥は、元の世界に戻りたいって思ってる?」
穏やかな会話のなかで、突如予想もしてなかった鋭い質問が飛んでくる。
シンは時々こうやって、私を探る質問を不意に投げ掛けてくる。
「正直に答えてくださいよ。
カナトに告げ口なんてしませんから。
さっきだって、戻るための手がかりになる本を探してたんじゃないんですか?
例え話ですよ。
戻る方法が見つかったらどうします?」
戻る方法が見つかったら…?
あのとき、確かに戻るための情報を掴めればとも思った。
でも、全くわからなかったことにどこかホッとした自分がいた。
だからこうやって、時間を潰してるんです」
「良い過ごし方だね」
「神楽弥は、元の世界に戻りたいって思ってる?」
穏やかな会話のなかで、突如予想もしてなかった鋭い質問が飛んでくる。
シンは時々こうやって、私を探る質問を不意に投げ掛けてくる。
「正直に答えてくださいよ。
カナトに告げ口なんてしませんから。
さっきだって、戻るための手がかりになる本を探してたんじゃないんですか?
例え話ですよ。
戻る方法が見つかったらどうします?」
戻る方法が見つかったら…?
あのとき、確かに戻るための情報を掴めればとも思った。
でも、全くわからなかったことにどこかホッとした自分がいた。