君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
到着したのは、木々が生い茂る、緑が心地良い場所。

ほのかに甘い香りがする。
見上げると、赤い実がたくさんなっている。

何の実かわからないけど美味しそう。

シンはするするっと木に登ると、太い枝に腰を掛けて果実をもぎった。

「神楽弥も食べます?」

「いや、私は…」

「えー。
共犯者になってくれると思ったのに」

やっぱり勝手に食べちゃ駄目なやつだよね?

なんて、かじりつくシンを気にしながら木陰に座る。

芝生を手で触ってみると、ふわふわとして気持ちが良い。
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