君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
この姫様は、幼い頃にパーティーで見たカナトに一目惚れした。
それからずっと一途に思い続けてる訳だが、相手はあの鈍感なカナト。

慕ってくれる妹ぐらいにしか思ってないんだよな、これが。

でもマリア姫の思いはどんどん膨らんでいって、今は自分とカナトは許嫁の関係だと信じてる。

神楽弥の存在を知ったら、発狂するぞ…。

「結婚はまだ早いと考えてるようです。
カナト自身も、周りも。
まだ王子としても半人前ですし」

「そうね。
私の結婚相手に相応しい王子になってもらわないと困るわ。

もっと立派になったら迎えに来てくれるってことね」

こりゃ、下手なこと言えないな。
< 97 / 173 >

この作品をシェア

pagetop