音を紡ぐ
「うん。ありがとう。でも、本当に気をつけて!!」


2人で話しているのを見ると幸せそうで、なんか羨ましいなって思っちゃう。


斗季と付き合えたら、あんな風になるのかな。


あんな風に毎日幸せそうに笑い合えるのかな。


「あっ!時間になっちゃう!もう3時だよ!昴は時間いいの?」


「俺たちは5時からだから。斗季がちょっと会場から出れないから、有紗のこと見ててって言われたんだ。なんかあると危ないんだってよ。」


「私そんなに心配になるようなことしないよ?」


「ふふっ。斗季が心配なだけだよ。じゃあ2人とも行こっか。」


私達は歩いて会場に向かう。


周りもお祭りに行く人がたくさんいて迷子になりそう。


「有紗!ほら、手繋ご!!」


「えっ!?でも、昴と繋いだほうがいいんじゃないの?」


「今は有紗と一緒でいいの。有紗に勇気を分けてあげるよ。」


そう言うと口元に指を当ててしっーーっとウインクした。


「ありがとう、朱里。私、頑張るよ。」


「うん。あっ!着いたよ!!凄いね!毎年のように盛り上がってる。」


「じゃあ俺はステージの方にいるから。後でね!」


そう言うと昴は走ってステージに向かった。
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