音を紡ぐ
「はーー。もう、有紗内緒にしてたんだからさ。」


「でも、おばさん嬉しそうだったよ。だから、大丈夫だと思うよ。何を心配してるか分からないけど。」


「さすが天然。分からずに言うか。まぁ、今度昴に言ってみるよ。」


「ん?俺に何を言うの?」


朱里の後ろから昴がそう言って入ってくる。


「昴!?い、今の話聞いてた!?」


「いや。有紗が朱里のお母さんに彼氏いるんですよって言ったところからしか聞いてないよ。」


それって、最初から全部じゃん!!


「〜~~~っ!!!もう!?聞いてたの!?」


「うん。だから、今日のお祭りの後朱里の家に寄るから。俺も朱里が何を心配してるか分かんないけど、とりあえずお母さんに挨拶するのはいいでしょ?」


そう言うと昴は朱里の頭をぽんぽんと撫でる。


「・・・・・・・心配なんじゃなくて、緊張するの!!お父さんが、その、娘大好き人間だから、昴がなんて言われるか・・・。」


そう言うと昴は朱里を見て笑い始めた。


「なんだー!もっと深刻なことかと思ったのに、俺の心配だったんだ。ありがとう、でも、大丈夫だよ。何かあったら朱里が守ってくれるんでしょ?って言うより、俺が何とかしてみるよ。その時は。」


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