音を紡ぐ
「それからね、今まで分かんなかった気持ちに気づいたの。初めてで戸惑ったけど、朱里に言われて気づいたんだ。・・・・・・・あのね、私、」


ドォーーーーーーーーーン!!


花火が空に打ち上がって私の言葉が消された。


「ん?ごめん。最後聞こえなかった。」


「えっ!?あっ、えっと、あのね!!」


そう言うと斗季に口を抑えられた。


戸惑っていると斗季が私の目を真っ直ぐに見た。


「聞こえなかったから、続きは俺に言わせて。・・・・・・・初めて有紗に会った時から、俺は有紗のことが好きです。」


・・・・・・・・・・・・え?


「友達とは違う、1人の女の子として。だから、俺と付き合ってくれますか?」


私はその言葉を聞いた瞬間涙が出た。


斗季と同じ気持ちだ・・・・・・


「あの、私・・・・・・・私も、斗季のことが好きっ!!だから、こちらこそ、お願いッ、しますっ。」


瞬間腕を引かれて斗季の胸に飛び込む。
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