音を紡ぐ
「んーーー、まぁ、とりあえずはお祭りで何かするしかないよねー。・・・・・・あっ!有紗!!浴衣着よ!!」


「浴衣!?でも、浴衣着て斗季は喜ぶの?何か効果ある?」


「そりゃもちろん!よし!まずはそこからだね。」


朱里は張り切ってネットで浴衣の着方やヘアアクセの付け方を調べ始めた。


朱里も昴に見せたいって思うんだろうな。


私も頑張らなきゃ!!


私はいつものノートを開いて[恋をした]と書いて、病室に戻った。


「戻ったよー。入っても大丈夫?」


「おっ、2人ともおかえりーー。今、ちょうど仕上がったところやで。お祭りまで楽しみにしててやー!」


樹哉は紙をぶんぶん回しながら飛び跳ねている。


「そんなに紙回すなって!!あっ、2人楽しみにしててね!」


斗季が樹哉を抑えながら喋る。


昴はいつものようにその2人を眺めて穏やかに座っている。


見てはいるけど、助けようとはしないよなーー。


「じゃあこれから、有紗と作戦考えるから3人は帰ってね!!」


「「「作戦??」」」


「そう!!まぁ、お祭りの時に分かるからさ!じゃあ、また明日!!」


朱里が3人を病室から追い出すと、ものすごい勢いでノートに次々書き出していく。


さっきから調べていた浴衣のこととか、ヘアアレンジのこと。


朱里本気だ・・・・・・・



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