100点テストの祈り鶴


「花村さんの願いって言うか、俺が勝手にしてた事だけどね」

「それは……そう、だけど。クラスに馴染めて友達が出来るなんてあの時は思いもしなかったし……うん、じゃあ、睦月君は魔法使いだ」

「くっ!はは!魔法使いって……!花村さんって時々斜め上な事言うよね」


私としては真剣に言ったつもりだったのだが、どうやら彼にとっては笑ってしまう様な事だったらしい。

笑われたとしても不快な気持ちになったりはしない。むしろ一緒になって笑ってしまう。

ひとしきり笑い終えた所でニッコリと微笑みかけられる。


「――じゃあさ、今度は花村さんが俺自身の願いを叶えてね」

「うん。もちろん」

「じゃあ早速」

「ふぇ!?」


何の予告もなく、するりと指の間に指をすべり込ませてくる。

男の子の手。と実感せざるを得ないその感触。骨っぽくゴツゴツとしている。


「さ、早速って、これは……?!」

「ん~~?花村さんの手小っちゃいから触ってみたくって。また願い叶った」

「さ、さっきも髪触って……」

「あんず」

「っ!?」


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