冷血部長のとろ甘な愛情
「はい、どうぞ」

「ん、ありがと。ところで、なんでさっきから機嫌が悪そうなんだ?」


酔っていても人の顔色を気にすることが出来るんだ。

へーと感心してしまいそうになるが、酔っ払いをまともに相手しても良いことはない。


「別に普通ですよ」

「いや、普通じゃないだろ? なんか俺がしたか?」

「何もしてないから気にしないでください」

「なんだよ、なんでも言ってくれたらいいのにさ」


口を尖らせて拗ねる顔は大人の男性には見えない。酔っ払うと子供になるのか?

絡み癖でもあるのか?

なんにせよ、めんどくさい男だ。上司でなかったら、相手にしていない。

あ、でも上司だからと相手にする義理はない。今は業務時間外だ。一応この人の歓迎会ではあるけれど。

でも、どうしたらいいものかな。ここ数年こんな面倒な男に絡まれたことがない。


「神原さん。宮田さんの姿が見えないんですけど」

「えっ、奈由ちゃん? ほんとね。どうしたのかな? 具合でも悪いのかな」

「トイレとか見てきてもらってもいいですか?」

「そうね、見てくるわ」
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