冷血部長のとろ甘な愛情
「夏鈴さんと部長、合うと思うけどな」

「まだそんなこと言うの? せっかく忘れていたのに、ひどいねー」

「ははっ。俺がひどいのは夏鈴さんしか知らないでしょ?」

「あー、そんなこというとばらすよ」


私は坂本くんの体に寝転んだままで体当たりをする。どうでもいいことやどうでもよくないことを言いながら、じゃれあうのが楽しい。

真面目な坂本くんが意地悪なことを言ったり、声をあげて笑うのは社内では多分私しか知らない。どっちが本当の坂本くんかは知らないが。

そして、別々にもう一度シャワーを浴びて、ホテルを出た。

誰かに見られたら困るから出るときは慎重に別々だ。坂本くんが出てから五分後に私が出る。

そろそろ二次会も終わった頃だろう。


電車のドア付近にもたれて外をぼんやり眺めながら揺られていると「神原さん」と低い声で名前を呼ばれる。

振り向くとそこには今一番見たくない顔があった。せっかくいい感じにストレスも発散出来たというのになんでここで会うかな。
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