冷血部長のとろ甘な愛情
手を離してもらおうと軽く引くと繋いでいたことが無意識だったのか、繋いでいることに今気付いたみたいな顔をして離す。

それから、ホームの屋根の隙間から見える空を見上げた。


「降らないうちに行くか」

「そうですね」


傘は持っているけど、出来れば使いたくないし、朝から足元が濡れるのも嫌だ。

私たちは並んで改札を出て、早足で歩いた。


「神原さん、おはようございます」

「坂本くん、おはよう」


オフィスビルに入り、エレベーター前に行くと待っている人の中に坂本くんの姿があった。

あれ? 部長は?

中に入った時は一緒だったはずだけど……あ、いた。

部長は専務と立ち話をしていた。長身の二人が並ぶと絵になるというか、ドラマとか映画のワンシーンみたいだ。

近くを通る女性社員がチラチラと二人を見ている。私もぼんやりと二人を眺めていて、エレベーターが到着したのに気付くのが遅れ、坂本くんに「来ましたよ」と言われ慌てて乗った
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