冷血部長のとろ甘な愛情
隣に乗った坂本くんは少し腰を屈めて話し掛けてきた。


「今日、よろしくお願いします」

「うん、なにかあればフォローするからね」


三日前、「部長に嫌われている気がします」と坂本くんは弱々しい声でフェア当日のスケジュールチェックを私に頼んできた。

なんで嫌われていると感じているのかと聞くと……。

理由は分からないけど、よく睨まれるという。目付きが悪いからただ見ているだけでも睨んでいるように見えるのではないかと私は言った。

気にしなくてもいいという私の言葉は納得出来なかったようで、今まで以上に何か間違いはないかとか書類が抜けてないかとか忘れていることはないかとか神経質になっている。

オフィスでの坂本くんは本当に真面目でたまに弱気に見える部分がある。

こんなにもオンとオフが違うものなのかと正直戸惑うこともある。オフの坂本くんは強気だし、いい加減な部分もあるから。

そんな部分をオフィスでは一切見せないから私もそれに協力しているけど、やっぱり戸惑う。

最終会議は1時からか。


「お昼、しっかり食べてね」

「はい」
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