冷血部長のとろ甘な愛情
「お疲れさまでした」

「ああ」


短い返事に頭を下げて、くるりと背中を向ける。本当に疲れた1日だった。坂本くんに抱かれて発散したストレスがまた戻ってくるとは……。


「待てよ。送る」


三歩ほど歩いたところで肩を掴まれた。やっと解放されたと思ったのにまだ付きまとうのか、この男は!


「いえ、送ってもらわなくて結構です。前も言いましたが、一人で帰れますから」


肩に乗っている手を振り払い、きっぱりと断った。さっさと家に帰りたい。


「俺が送りたいから送るんだよ。いいから、行こう。こっちでいい?」


また手を繋がれて引っ張られる。この自分勝手な男を誰か何とかして……。

夜に大声で揉めることはしたくない。だけど、言いなりになりたくはない。

引っ張られても私の足は動かなかった。


「神原さん?」

「勝手なことばかり言わないでくれませんか!何がしたいのか、何のために送ろうとするのか分かりません」

「ちょっとこっちに来い」
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