冷血部長のとろ甘な愛情
部屋の入り口から離れるよう引っ張られ、廊下の端で部長と向き合う。どう見ても学生には見えない私たちをチラチラと通る人たちが見ていく。こんなところで目立ちたくない。

だけど、部長は周りの視線なんてお構いなしにこの場にふさわしくない言葉を発した。


「あいつと寝るのやめろよ」

「えっ……部長には関係ないことですよね? 部長に迷惑を掛けてもいないですから、指図しないでください」

「関係はある」

「ど、どんな関係があると……」


距離を縮めて顔を近付けてくるからぎょっとして後退りするが、狭い廊下ではすぐ壁に背中を押し付ける形となった。

縮める距離にまた自分勝手なキスをされるのかと警戒してしまうが、さすがにここではしないだろう。

トンと後ろの壁に部長が手をつくから、私は行く手を阻まれた。この状態って、壁ドンとかいうのだ……。

まさかこんなところでこんなふうになるなんて。


「キャ、見た?」「壁ドン!」「壁ドンじゃん」「マジ?すげー」……部長の後ろを通っていく学生たちの好奇心丸出しの声が聞こえてくる。

恥ずかしい。
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