冷血部長のとろ甘な愛情
いつもよりも柔らかい表情の部長がうんうんと何度も頷く。学生はさらにこの作品を考えるまでの経緯を語ってくれた。


他の作品にも良いものがいくつかあり、私たちは一通り見て外に出た。もう一度コロアールのブースへ行き、坂本くんたちに声を掛けてオフィスへ戻ろうとする。

予定よりもじっくりと見たから時間も予定よりオーバーしていた。今から戻ると四時近くなる。急ぎの業務はないけれど、定時に帰るのは無理かな。

大学を出て、車を停めてある近くのコインパーキングへと向かっていると前から小学生の男子が五人歩いてきた。

すれ違う時、ふざけていたのか誰かが一人の子を押して、その押された子が私にぶつかってきた。肩が横のブロック塀にぶつかりそうになったが、咄嗟に部長の手が伸びてきて、私の体を支えてくれた。


「大丈夫か?」

「はい。すみません、ありがとうございます」

「うん、よかった」

「あ、血! 部長、血が出てますよ。大丈夫ですか?」
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