冷血部長のとろ甘な愛情
私を支えたときに手の甲を塀で擦ったらしく血が滲み出ていた。カバンから急いでハンカチを出して傷口を押さえる。


「ん? ああ、平気だよ。こんなかすり傷なんか大したことない」

「絆創膏あるので。ちょっと待って……あ、先に消毒した方がいいですよね? えっと、どうしようかな……」


カバンに絆創膏は入っているが、さすがに消毒薬は持っていないので、ドラッグストアがないかと周囲を見回してみるが近くにはないようだ。

ネット検索をしようかな。歩いていける距離にあればいいけど。


「消毒はいいから、それ貼って」

「あ、はい」


差し出された手の甲に絆創膏を貼る。普通サイズでギリギリおさまった。


「ありがとう。ハンカチ汚してしまったら、洗って返すよ。あ、それよりも新しい方がいいか……」

「いえ、そんなこと気にしないでください。自分で洗うし、新しいのを用意してもらわなくても大丈夫です。それよりも私のかわりに怪我をさせてしまってすみません」

「君が悪いんじゃないんだから、それこそ気にしないで。じゃあ、悪いけど汚れたまま返す」
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