冷血部長のとろ甘な愛情
持っていた紙袋をデスクの上に置く。


「これ、置いたの部長ですよね? お断りしたはずなのでお返しします」

「置いたのは俺だけど……中、ちゃんと見た?」

「見ましたよ。わざわざ新しいのを用意してくれなくてもいいです」

「もう一度ちゃんと見て。それ、覚えていない?」


覚えていない?

何のことを言っているのだろう。

紙袋の中からハンカチを取り出す。きれいに畳まれているけど、新品ではないようだ。

広げてみると……。


「えっ? 何で……」

「それ、君のだよな?」

「多分そうですけど、でも、どうしてここに?」


広げて右下を見ると、そこには『Karin』の文字と鈴のマークが刺繍されていた。

この刺繍は私の祖母がしてくれたもので、他にも何枚かのハンカチに同じような刺繍がある。「夏鈴のよ。無くなさいようにね」と小学生の時に祖母からプレゼントされた。

祖母は二年前に亡くなったので、私にとっては昔よりも大切な物となっている。

だけど、なぜこれがここに?
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