冷血部長のとろ甘な愛情
そのことを30歳になったときに、奈由ちゃんにこっそり話したので、彼女は私と一緒にめぼしそうな人をひっそりと探してくれている。
そこで、着任したばかりの平沢部長が結婚するには申し分のない相手ではないかという話に至っていた。
「どうです? 考えてみる価値はあると思いますよ」
「んー、どんな人か観察してから考えてみるわ」
自分で返事をしておいて、偉そうな答えだなと苦笑する。
でも、考えてみるまでもなかった。
午後の業務が始まって、一時間が過ぎた頃、部長と課長が外出から戻ってきた。二人、特に部長が不在で久しぶりに空気が和んでいたが、一瞬で張りつめた空気に変わる。
ここ数日、部長は前任者から引き継ぎされたファイルや資料などに目を通して、不明な点は課長に聞いていた。課長は緊張した面持ちだが、淀みなくしっかりと答えていた。
だから、私にまで質問が及ぶことがなく安心している。大体において、課長が答えられないことを私が答えられるはずがないのだ。
そこで、着任したばかりの平沢部長が結婚するには申し分のない相手ではないかという話に至っていた。
「どうです? 考えてみる価値はあると思いますよ」
「んー、どんな人か観察してから考えてみるわ」
自分で返事をしておいて、偉そうな答えだなと苦笑する。
でも、考えてみるまでもなかった。
午後の業務が始まって、一時間が過ぎた頃、部長と課長が外出から戻ってきた。二人、特に部長が不在で久しぶりに空気が和んでいたが、一瞬で張りつめた空気に変わる。
ここ数日、部長は前任者から引き継ぎされたファイルや資料などに目を通して、不明な点は課長に聞いていた。課長は緊張した面持ちだが、淀みなくしっかりと答えていた。
だから、私にまで質問が及ぶことがなく安心している。大体において、課長が答えられないことを私が答えられるはずがないのだ。