強がり女の唯一の男

「あのっ　その、池上さんと安達さんは、もう会ったりして無いんですよね？」
「会うって、会社では挨拶くらいするわよ？」
「個人的には？」
「無いわ。　安達君は私を酷いって言ってたくらいだから・・・」
自分の浮気を棚に上げて、幼馴染だと言い続けていた公平と付き合いだしたことを酷いと言われてしまった。
「そうなんですか、安心しました」
「結婚するって話になってるのに、まだ私の事なんて気にしてるの？」
「だって、結婚は・・・子供ができたからなんです」
「えっ！？」
「デキ婚です・・・」
「まさか、あの日のって事　無いわよね？」
私は冗談を言った。　だけど、
「・・・その、まさか、です」
と彼女に苦笑まじりに答えられてしまった。
「・・・あの日？・・・え、安達君　避妊しなかったの？」
「はい・・・」
その答えを聞いて私は心底驚く。