強がり女の唯一の男
「そうなの・・・ビックリね」
「私が妊娠なんて、安達さんもビックリだと思いますけど・・・」
彼女の表情を見て、私は疑問を持ってしまう。
「まさか、あの日 安達君は私だと思って貴女を抱いたと まだ思っている訳じゃないわよね?」
「え!?」
「私とは、必ず避妊していたし、朝まで一緒ってことも無かったのよ?」
それに、安達君はきちんと私では無い人を抱いている自覚がきちんとあった。
この人はまだ、安達君が私と勘違いして自分が抱かれたと思っているの?
「えっ!?」
驚くところをみると、まだ事実を知らないの?
「本当よ? 私に対する態度では無いわよ。
安達君、その時は私と付き合っているんだから、自分は私を好きじゃなきゃいけないって思い込もうとして私が好きだから貴女と付き合えないと言ったんじゃない?
・・・本心では貴女を求めていたと思うわ」
遊びだと割り切って抱いたなら避妊を怠るなんて考えられない。
やはり、安達君の中で私よりこの人に惹かれるものがあったんだろう。
「そうでしょうか?」
彼女は真剣な顔で私に訊く。
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