強がり女の唯一の男
「公平、じゃあね」
「おう! 今度は元気がある時に飲もうぜ!」
「うん」
「あ、小雪。 彼氏とはうまくいってんのか?」
「安達君と? 別に普通かな?・・・どうして?」
「いや、仕事仕事 言ってたら彼氏も気分悪いんじゃないかと思ってさ」
公平は意地悪そうに笑った。
「安達君は私が仕事を任せられる様になって、良かったな って言ってくれてます~」
「そうか、ならいい。 同じ職場だもんな。
小雪の仕事にも理解があって小雪にとっては最高の相手だよな?」
「そうだね。 あはははっ なんか公平に彼氏褒められるの むず痒い」
「褒めてはないけどな・・・」
公平の苦笑の意味が分からなかった。

最近 安達君とはお昼休みにランチをする程度。
飲みに行くことも、ましてや肌を重ねることもなくなっていた。
それでも、私は毎日 会社で会えているから寂しいとは感じていない。

私は安達君とはうまく付き合っているのだと思い込んでいた。
そう、あの日までは・・・。
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